中谷病院 院長 中谷裕司のコラム
Fさんの優しさ
先日 肺と心臓の病気で8年間呼吸器を装着し、在宅で生活されていたFさんがお亡くなりになりました。
生前は呼吸器を装着しているために、声が出せない状況で、身振りや手振り、筆談でコミニケーションされていました。また、痰をひいたりもご自身でされたりしながら、生活されていました。
療養の最初の6年はご主人さんにも手伝ってもらい暮らしていましたが、ご主人さんのほうが先に病気でお亡くなりになられ、その後は娘さんにサポートしてもらいながら暮らされていました。
わたしは、2週間に1回訪問診療に行かせてもらっていました。
Fさんは、そのような困難の中でも、笑顔を絶やさずいつも自分たちにもありがとうと言ってくださりました。
自分たちにとっては、充分なことができているかわからないけど、その対応に本当に癒されていました。
こんなに大変な自分の状況があるのに、自分たちにも気遣いしていただいたりするFさんに、今は感謝の気持ちで一杯です。
Fさんとは、約3年前の春 近くの的形の小赤壁に桜の花見にいったり、この10月には御津のコスモスを見に行ったりしたのが思い出です。
どうぞ、天国で待っているお父さんのもとで、仲良く楽しくにぎやかにお過ごしください。
平成22年11月15日

中谷病院 院長 中谷裕司