CART(KM-CART技術)とは

　従来のCARTは、癌、肝疾患、腎疾患などに起因して貯留する腹水を体外に取り出して腹水濾過濃縮し、 それによって得られた自己蛋白溶液を患者様に再静注する一連の処理のことで難治性腹水に対して行われてきました。 しかしながら癌性腹水に対応できない（膜の目詰まりと発熱）と判定され、肝性腹水治療としてのみ施行されてきました。 癌性腹水に対応する為、新しいCARTシステムを導入することで、腹水へのストレスや副作用である発熱を軽減することができるようになりました。 又、膜洗浄機能により、処理効率の向上による所要時間の短縮と多量の癌性腹水も処理可能となりました。この新しいCARTシステムがCART(KM-CART技術)です。 （KMはこのシステムを開発した、松﨑圭祐先生のイニシャルです。）

中谷病院では、2012年9月CART研究会主催の臨床研修にてCART(KM-CART技術)開発者 松﨑圭祐先生に指導をうけ2012年10月よりCART(KM-CART技術)を開始しました。 症例を重ねCART研究会より2013年8月には施設認定を受けています。
CART研究会ホームページ掲載のCART(KM-CART技術)施行可能施設として2019年7月現在、関西では6施設ある内の1施設となっています。



CART(KM-CART技術)施工可能施設に当院が紹介されています。
http://www.fukusui-cart.com/special/?id=4738

CART（難治性腹水に対する腹水濾過濃縮再静注法）とは？　
http://www.fukusui-cart.com/special/?id=1712

患者さまへ

当院のCART(KM-CART技術)におきましては基本的に入院での対応となっていますので
希望される患者様は現在の主治医とよく相談の上、
当院地域連携室（担当：橋本 中谷）までご連絡をお願いします。

連絡先：健裕会　中谷病院　地域連携室　
担当　橋本 中谷
TEL：079-235-5566
〒672-8064　兵庫県姫路市飾磨区細江2501

CART(KM-CART技術)の特徴について

・がん患者様の腹水にも対応
・短時間で大量の腹水を抜水し栄養分を還元する
・苦痛症状の改善
・発熱、副作用が少ない

注意事項として

・採取される腹水が2ℓ以下の場合は腹水から得られる蛋白量が期待できない為、腹水処理を断念する場合がありますの　でご了承お願いします。
・来院時に血圧が著しく低い場合はCART(KM-CART技術)を中止させて頂きます。
・CART(KM-CART技術)は発熱が起こりにくい処理システムとなっておりますが、患者様の状態によってはその限りでは　　ありません、解熱剤で対応させて頂きます。
・腹水処理は全行程で最低でも4時間必要となります。
・大量の腹水を抜いたとしても1週間でまた貯留されるケースもあります。
・手技は2週間に1度の頻度で施行可能となります。

受診までの流れ

①現在のかかりつけの主治医と相談。
②当院の地域連携室に連絡。情報を基に来院されても安全かを医師と共に医療スタッフで判断。
　 安全が確認できれば、外来受診日の予約。
③術当日(入院日)は利尿剤を服用しないでください。
④来院当日外来受診後、腹部エコー、腹部CTを撮り、腹水処理行程へと入ります。
　 ※腹水処理は全行程で最低でも4時間以上必要となります。
⑤還元濃縮腹水を再静注します。
　 ※緩徐におこなうため、夕方までかかると思われます。
⑥様子観察の為、1泊2日の個室での入院となります。術の翌日に医師の診察をおこない状態確認の上、
　 退院していただきます。

●持参して頂くもの
診療情報提供書(内服内容、検査データ、可能であればエコー又は、CT画像)
紹介状、保険証、印鑑、内服薬、入院用品(タオル、歯磨き用品、パジャマ、コップ、スリッパ、箸など)

●費用について(あくまでも目安です、この限りではございません)
CART(KM-CART技術)は保険で治療可能であり1回あたり
手数料 \49,900　材料価格 \63,700 で3割負担なら約3.5万円となります。
CART(KM-CART技術)料・検査料・入院料等あわせて通常3割負担で約8～9万円の負担となります。
高額医療の手続きをとられることをお勧めします。

印刷用にまとめたものですこちらもご参照ください。